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時計修理技能士(3級)に合格してから初めて腕時計の修理をしました。

修理というよりも電池交換とメンテナンスといった方が正確な表現です。

友人の"ひで"が飲み仲間(?)の人の腕時計を預かり送ってくれました。

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症状は以下の通り

・電池切れ
・歯車に埃が入っているらしく修理が必要(5万円ほど)


そこまでの金額をかけて直すほどでもないということで、止まったまま放置されていたとのこと。

"ひで"が「直らなくてもOK」という条件で預かってくれたので、自分の知見を増やすためにもやれることをやってみることにしました。

このタグホイヤーは「プロフェッショナル・S/el(セル)クロノグラフ」というシリーズ名なのですが、アイルトン・セナが使用していたことから『セナモデル』といった方が伝わる人が多いと思います。

登場したのは30年以上前の1980年代後半。
日本はバブル絶頂期でF1の人気が最も高かった時代に登場しています。

当時は小学生でしたが、この独特のベルト形状はとても印象に残っています。

この時期のタグホイヤーは経営的に厳しかったようで、安価なクォーツモデルを多く販売していました。
その中でもセナモデルはクォーツモデルの頂点として20万円代後半という値付けだったようです。

販売数が多いこともあり今でもフリマアプリや中古販売店でも多く見かけます。
自分には絶対に似合わないデザインですが、お金に余裕があったら一度手にしたいと思っていたモデルなので、こういう形でも手元に来たことをうれしく思います。

ただ開封した第一印象は「汚ねぇ…」のひと言でした。

持ち主は汗をかく仕事をしている人ということなので、連日汗や皮脂が付いてそれを拭き取ることなく秘伝のタレのように蓄積されていったのではないかと容易に想像できます。


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"ひで"が拭いてくれていましたが、ベルトの隙間などに手垢や皮脂の塊がこびりついています…。

そしてその影響でクロノグラフのプッシュボタンも固着していました…。


クリーニングは後回しにしてまずは電池交換から。

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さすが高級品なので電池(SR626SW)もネジ止めです。

ちなみにボタン電池は以下の規格となっています。
SR:酸化銀電池、LR:アルカリボタン電池、CR:リチウム電池
数字:直径と高さ(mm)
SW/W:アナログ用(SW) or デジタル用(W)

SR626SWは
┗酸化銀電池
┗直径:6mm(6.8mm)
┗高さ:2.6mm
┗アナログ用

という仕様を表しています。

新しい電池をプラスチック製のピンセットで入れると無事に稼働音が聞こえてきました。

ただ液晶部は何も映りません。
ここは直しようがないので、もうパスします。

またクロノグラフの針をリセットしても0時位置ではなくバラバラに明後日の方向に戻ります。

説明書がないので針の位置の修正にも手間取りましたが、解説しているブログ記事があったのでとても助かりました。

あとはムーブメントがなんとか稼働させることができたので、あとはベルトとケースを「洗っ時計」と超音波洗浄機で徹底的にクリーニング。
その上で「クリスタルガード・クロノアーマー」でコーティングして完了です。

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本来であれば歯車も全て取り外して洗浄や注油をすべきですが、それを他人の時計でやるスキルは今の僕には全くありません。

送り返した”ひで”にも「めっちゃ綺麗になっているやん」と言ってもらえたので、お役に立ててよかったです。

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